歯周病治療・歯周外科治療

歯周病治療・歯周外科治療

歯周病とは

歯周病とは 歯周病は、歯周ポケットに潜む細菌による慢性の感染症です。 人の体は皮膚で覆われているため、傷がつかない限り細菌が侵入することはありません。しかし、体の中で唯一骨と直接つながっている歯肉部分は、細菌が侵入しやすい場所です。特に、歯の付け根は軟組織で穴が開いているため、細菌が付着すると体の中にすぐに侵入します。 細菌が侵入しても初めは症状がほとんどでませんが、慢性期が長期間続くと細菌を体の中に入れないための防御反応として炎症が起こります。それが歯周病です。 歯周病が原因で高血圧や心筋梗塞、糖尿病、脳梗塞を発症するリスクがあるため、歯周病予防が必要となります。

当院の歯周病治療の特徴

歯周病は、治療後のメンテナンスが重要です。当院では担当歯科衛生士制を導入し、患者さんの口腔環境を健康な状態に維持できるよう、歯周病が再発しないよう予防治療を徹底しています。 むし歯や歯周病の予防治療を専門に学んだエキスパートの歯科衛生士が口腔内のクリーニングを担当し、定期メンテナンス時に丁寧にお口の中を確認いたします。 できるだけ痛みが出ないように配慮しながらクリーニングやケアを行いますが、もしも痛みがある場合には遠慮なくお伝えください。 治療後は受付にて患者さんに治療内容についてのご感想をお聞かせいただいております。担当歯科衛生士制を導入しておりますが、時には患者さんと担当者の相性が合わない場合もあります。そのようなときには担当を変更することも可能ですから、遠慮なくお申し出ください。

年齢に応じた健康な歯ぐきとは

年齢に応じた健康な歯ぐきとは 30 代患者さんの健康な歯ぐきは歯肉は薄いピンク色。歯と歯の間の歯肉はきれいな三角形です。 50代になると歯肉のピンク部分が少なくなりますが、歯と歯の間の歯肉の形は三角形を保ちます。歯と歯の間に多少隙間が出来始めますが、衛生的な環境を維持すれば綺麗な口腔環境が保てます。 70代になると前歯の上下の歯肉に隙間が見られるようになりますが、衛生的な環境を維持すれば歯肉がピンク色の引き締まった状態を維持することが出来ます。 歯と歯の間の歯肉に隙間が見られるようになりますが、衛生的な環境を維持すれば歯肉もきれいな淡いピンク色を保てます。歯肉も引き締め、歯周ポケットも3mm以内に収めることが可能です。

歯周病の症状

歯ぐきの腫れ・出血が気になる方へ

◎歯肉炎・軽度歯周炎 9-7 9-8 歯ぐきの縁が赤く腫れ、歯磨きの時に出血する場合には、歯肉炎や歯周炎の可能性があります。症状が歯ぐきに限定されている場合は、歯磨き指導により改善される場合がほとんどです。 ただし、歯がぐらぐらするほどに症状が進んでいる場合には、外科的な処置が必要になる場合があります。 【歯肉炎】 炎症が歯ぐきのみに見られます。歯ぐきの縁が赤く腫れ、歯磨きの際に出血することがあります。この状態を放置すると、歯周炎へと進み最終的には歯が抜け落ちてしまいます。 【軽度歯周炎】 歯周ポケットが 3mm 以内で、歯の揺れる幅が 0.7 ~ 1.0mm 以内の状態を軽度歯周炎と呼びます。骨が少し溶け始めますが痛みを伴わないので気付きづらい状態です。 歯磨き指導 ( Teeth Brushing Instruction ) を行い、ご自身で丁寧に歯磨きをしていただくこと、また、クリニックにて歯石の除去も併せて行います。 下の画像は、歯磨き指導だけで改善した例です。 9-9 9-10

歯がぐらぐらしている方へ

◎中等度・重度歯周炎 9-11 9-12 中等度~重度の歯周炎(歯周病)により、歯を支える骨が失われて歯がぐらぐらしている状態です。歯ぐきが後退していくため、歯が長くなったように見え、口臭が気になり始めるほか、歯ぐきから膿が出たりします。場合によっては抜歯が必要になることもありますので、早急にご相談ください。 【中等度歯周炎】 歯周ポケットが 3 ~ 6mm 以内、歯の揺れる幅が 1 ~ 2mm 以内で骨が半分程度溶けてしまった状態です。歯がぐらぐらし始め、歯ぐきは後退して歯が長くなったように見えてきます。 【重度歯周炎】 歯周ポケットの深さが 6mm 以上、歯の揺れる幅が 2 ~ 3mm の歯周炎を重度歯周炎といいます。歯を支える骨は 3 分の 2 程度失われて、歯はぐらぐらして硬いものを噛むことができなくなります。 外科的な処置を中心に、場合によっては抜歯という選択肢も視野に入れて治療をしてまいります。

重度歯周病の治療例

◎重度歯周病の治療例 治療例 1 治療前 9_before 治療後 9_after 治療例 2 治療前 23_治療前 治療後 24_治療後 治療例 3 治療前 25_治療前 治療後 26_治療後 料金について

歯周外科治療とは

歯周外科治療とは 歯周外科治療とは、歯周病に対する治療や抜歯を避け、歯を残すための再生療法のことです。破壊された歯の周囲の組織や骨の再生を促します。

治療方法

【エムドゲイン法】 歯周ポケットの改善や歯槽骨の再生を促すための治療です。 むし歯などの治療が終わった段階で、歯周ポケットが6mm以上ある場合、エムドゲインによる再生療法を行います。 歯肉を切開して歯根を露出させます。歯根表面の歯石を除去した後、汚れを徹底的に取り除き、エムドゲインを塗布します。その後、歯肉弁を戻し縫合します。 【歯肉弁根尖側移動術】 歯肉が狭い場合や歯周ポケットが深い場合に行う外科手術です。 むし歯が歯槽骨の近くまで達している場合でも、歯肉の位置を下げて歯を長く露出させ治療することで歯を残すことが可能です。また、歯ぐきの位置がばらばらで一定していない方の審美治療としても利用できます。 【根面被覆術】 歯肉退縮(歯ぐきが下がること)のため露出した歯根面を覆う治療方法です。 歯肉を移植し縫合することで、露出していた歯根を覆い歯ぐきを短くできます。もともと歯ぐきの長さがバラバラの方の審美治療としても有効です。 【PAOO(即時矯正)】 矯正治療時の歯の移動を、効率よく短期間で行う治療方法です。歯の移動を行う場合に歯槽骨(歯ぐきの骨)に切れ目を入れて歯を動かしやすくします。歯の移動と骨再生を同時に行うことで、治療期間の短縮と歯槽骨の増大が見込まれます。

治療例

中等度・重度歯周炎まで進行してしまった場合、外科的な処置が中心となります。 ◎エムドゲイン法 歯周病によって部分的に失われた歯を支える組織を回復する治療です。歯ぐきを切開し、失われた歯周組織の部分にエムドゲインという薬剤を塗布して縫合します。 治療前 27_治療前 治療後 28_治療後 ◎歯肉弁根尖側移動術 (APF – Apically Positioned Flap surgery) 歯周病に侵された歯肉を除去し歯周病の進行を食い止める手術です。歯周ポケットが浅くなり、歯周病原菌が繁殖しづらい環境を作ります。 治療前 治療前_9-1 治療後 治療後_9-2 ◎根面被覆術 歯周病が進行すると、歯を支える歯周組織が破壊され、歯ぐきは後退して歯が長くなったように見えます。歯周病が治った後もこの後退した歯ぐきは元に戻らないため、笑ったときの見栄えを気にされる方も多くいらっしゃいます。根面被覆術は歯肉を移植して見栄えを改善する手術です。 治療前 治療前_9-3 治療後 治療後-9-4 PAOO(即時矯正) 歯並びが悪いと、歯磨きもしづらく、歯周病の治療・プラークコントロールが困難になります。こうしたケースでは、まずこのPAOOで歯並びを速やかに改善し、歯周病治療を効果的に進めることができます。 治療前 治療前-9-5 治療後 治療後-9-6

予防治療の重要性

1・25_予防治療の重要性 「歯医者は、歯が痛くなってから行くところ」という考えが根強くありますが、大切なのは「自覚症状がない段階で早期発見し、むし歯を防ぐ」ことです。 むし歯を治療しても再発するリスクがあります。また、むし歯が再発すると、周りの歯にうつって広がっていくという負の連鎖が起きやすくなります。 当院では、微細な変化を早期発見できるよう担当歯科衛生士制の導入、年齢ごとのリスクを踏まえながら口腔内のチェックを行う定期健診の推奨をしています。生涯にわたり健康な歯を保つため、またむし歯予防のためにも、ぜひ一度定期健診にお越しください。 予防治療の大切さ