
奥歯を失った状態で日常を送る不便さは、待たされる側にとって切実な問題です。片側で噛む癖がつき、食事の楽しみが減り、仕事中の会話でも気になる。だからこそ「早く入れてほしい」という希望は当然のものだと考えています。
それでも歯科医師が歯周治療を先に提案するのは、時間稼ぎでも慎重すぎる判断でもありません。インプラントは埋めた瞬間がゴールではなく、そこから10年、20年と使い続ける前提の治療です。入れる時期を数か月早めることと、入れた後の安定を保つこと。この2つを天秤にかけたとき、長く噛める方を優先する判断になります。
「今すぐ噛みたい」という気持ちと「長く噛みたい」という願いは、実は同じ方向を向いています。順序の話は、その願いをどう実現するかという段取りの説明だという見方ができます。
「インプラントできない」という言葉の多くは、永久に不可能という宣告ではなく「今の口腔状態のままでは適応条件を満たさない」という意味で使われています。歯周病が活動している状態、歯を支える骨が大きく減っている状態、残っている歯がぐらついている状態。こうした条件が揃っていると、手術そのものは技術的に可能でも、良好な経過が見込みにくくなります。
歯周病 インプラント 適応の判断では、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)の深さや出血の有無が重要な材料になります。炎症が続いている口の中は、細菌が活発に動いている環境だという見方ができるためです。
つまり「できない」は多くの場合、「条件を整えれば検討できる」という含みを持った言葉です。この違いを最初に共有できないまま帰宅されると、納得できない気持ちだけが残ってしまいます。
治療順序に医学的な根拠があるかどうかは、説明を受ける側にとって最も知りたい部分ではないでしょうか。結論から言えば、歯周治療を先行させる流れには明確な理由があります。感染源を減らさないまま人工物を埋めると、インプラント周囲炎 リスクが高まることが知られているためです。
ただ、診療の現場では時間の制約から「まず歯周病から」の一言で終わってしまう場面もあります。理由の部分が省略されると、患者様には手続き上の順番待ちのように聞こえてしまいます。
当院では、治療を受ける方が内容を理解したうえで進めることを大切にしています。歯科用CTによる骨の評価や歯周組織の検査結果をお見せしながら、なぜこの順序なのかを一緒に確認していく形をとっています。順序の意味がわかると、歯周治療の期間そのものがインプラントへの準備段階として捉え直せるようになります。

インプラントは、顎の骨に埋め込んだ人工歯根が骨と直接くっつくことで、噛む力を支えています。この現象はオッセオインテグレーション(人工歯根の表面と骨組織が直接結合した状態)と呼ばれ、インプラントが安定して機能するための土台となる現象です。
埋入後は、人工歯根の周囲で骨をつくる細胞が働き、金属表面に骨が接して固定されていきます。この結合が得られて初めて、上部に人工の歯を装着し、食事の際の力を受け止められる状態になります。
逆に言えば、結合を支える骨そのものが炎症にさらされていたり、量が不足していたりすると、この土台が成立しません。歯科医院で「インプラントできない」と説明される場面の多くは、人工歯根を入れる技術の問題ではなく、それを受け止める骨側の条件が整っていないという判断によるものです。
天然の歯とインプラントでは、力の受け止め方がまったく異なります。天然の歯は、歯根と骨の間にある歯根膜(歯の根と骨をつなぐ薄い繊維状の組織)を介して骨につながっており、わずかに沈み込む余裕を持っています。一方のインプラントは骨と直接結合しているため、こうした遊びがありません。
この違いは、噛み合わせの調整にも影響します。天然の歯は強い力がかかると微妙に動いて負担を逃がしますが、インプラントは力をそのまま骨へ伝えます。周囲に動揺している歯が残っていると、力の配分が偏り、インプラント側に過剰な負担が集中することがあります。
「歯を1本入れるだけ」と考えていた方にとっては意外に感じられるかもしれません。実際には、口全体の力のバランスを見たうえで埋入位置や本数を検討する必要があるという見方ができます。
歯根膜がないことは、インプラントにとって細菌への抵抗力とセンサー機能の両面で弱点になります。歯根膜には血管が豊富に通っており、免疫細胞が届きやすい環境がつくられています。インプラントの周囲にはこの組織がないため、細菌が侵入した際の防御反応が天然の歯ほど働きにくいとされています。
加えて、歯根膜は噛む力の強さを感じ取るセンサーの役割も担っています。硬いものを噛んだときに無意識に力を加減できるのは、この感覚があるためです。インプラントではその感度が鈍くなるため、負担がかかっていても気づきにくい傾向があります。
つまり、インプラントは「痛みや違和感というサインが出にくい構造」を持っています。だからこそ、埋入前に歯周組織の炎症を抑え、噛み合わせを安定させておくことが、後々の経過を左右する条件として重視されているのです。

歯周病菌は歯1本ごとに閉じ込められているわけではなく、唾液や歯垢を介して口の中全体を移動します。ですから、残っている歯の歯周ポケットに細菌が潜んだままインプラントを埋入すると、その細菌が新しい人工歯根の周囲にも定着していきます。「失った奥歯の場所だけの問題」ではないという点が、順序の理由を理解する入口になります。
細菌の種類にも特徴があります。歯周病が進行した口腔内では、酸素の少ない深い部分を好む菌が優勢になっていることが知られています。インプラントと歯ぐきの境目にも同じような環境ができるため、既に住み着いている菌にとっては移り住みやすい場所と言えるでしょう。
治療前に細菌の量を減らしておく作業は、手術そのものの成否だけでなく、その後10年20年の経過を左右する土台づくりにあたります。歯周病の治療が先になるのは、この土台を整えないまま建物を建てることを避けるためです。
インプラント周囲炎(人工歯根の周りの歯ぐきや骨に炎症が起きる状態)は、天然の歯の歯周病より進行が速く見えることがあります。理由は防御の仕組みの差にあります。天然の歯には歯根膜があり、血液の流れを通じて免疫細胞や栄養が届きやすい構造になっています。インプラントにはこの組織がありません。
加えて、インプラント周囲の線維は人工歯根の表面に沿って縦方向に並ぶ傾向があり、天然歯のように歯を取り囲んで細菌の侵入を食い止める封鎖性が得にくいとされています。炎症が起きたときに歯ぐきの内側で止まりにくく、骨のほうへ向かいやすい構造という見方ができます。
痛みが出にくいことも見落としやすい点です。噛めているうちは異常に気づかず、歯ぐきの腫れや出血が続いていても様子を見てしまうケースがあります。定期的な検査でポケットの深さと出血を数値として追うことが、自覚の乏しい段階での把握につながります。
インプラントが数年後に外れる背景で多いのは、埋入手術の失敗ではなく、周囲の骨が炎症によって少しずつ失われていく経過です。オッセオインテグレーションが成立して噛めるようになった後でも、骨と接している面積が減っていけば支える力は落ちていきます。ある段階を境に動揺が現れ、そこからは短期間で状態が変わることがあります。
厄介なのは、天然の歯のような「揺れ始めの前兆」が出にくい点です。人工歯根は骨と直接くっついているため、支持がかなり失われるまで見た目には安定して感じられます。ぐらつきを自覚した時点では、周囲の骨がすでに大きく減っている場合があります。
再治療になると、感染した部分の処置や骨の回復を待つ期間が必要になり、費用も時間も当初より大きくなる傾向があります。手術前に歯周組織を落ち着かせておくことは、この遠回りを避けるための現実的な判断だと考えられます。

インプラントの適応を判断する最初の関門は、歯周ポケットの深さと、そこを器具で触れたときに出血するかどうかです。深さが4mm以上ある部位が複数残っていたり、プローブと呼ばれる細い器具で触れた際に出血が見られる場合、その部位では今も炎症が続いていると判断します。炎症が活動している口腔内に人工歯根を埋めるという選択は、通常は見送られます。
検査では1本の歯につき4〜6か所を測定し、口全体で百数十か所のデータを記録していきます。「そこまで細かく調べる必要があるのか」と感じる方もいらっしゃいますが、この数値の分布こそが、歯周病 インプラント 適応を左右する判断材料になります。
出血率が高い状態は、細菌に対する体の防御反応が続いているサインです。この数値が治療によってどこまで下がるかを見ることで、インプラントを受け入れられる環境が整いつつあるかどうかを段階的に評価していきます。
残っている歯がどれだけ揺れているかは、インプラントの寿命を左右する要素として重視されます。残存歯 動揺度は、器具で歯を挟んで揺らし、水平方向・垂直方向の動きを段階的に評価します。周囲の歯が揺れている状態でインプラントだけを埋めると、噛む力の配分が偏り、人工歯根に想定を超えた負担がかかることがあります。
インプラントは骨と直接結合するため、揺れて力を逃がすという働きを持ちません。隣の歯が動くたびに噛み合わせの高さが変化すると、インプラント側が力を受け止め続ける構造になってしまいます。
噛み合わせの検査では、上下の歯が接触するタイミングや、左右どちら側で強く噛んでいるかも確認します。奥歯を失ったまま長く過ごした方では、残った歯が傾いたり伸び出したりしていることも珍しくありません。この位置関係の整理が、人工歯根を埋める位置の設計そのものに関わってきます。
顎の骨の厚み・高さ・硬さは、CT撮影による三次元的な評価で確認します。当院では歯科用CTを用いた診断を行っており、平面のレントゲンでは把握しきれない骨の断面や、上顎洞(上顎の奥にある空洞)との位置関係、神経の走行までを立体的に読み取ります。白井市 インプラントを検討される方にとって、この段階の情報量が治療計画の精度を決める部分と言えるでしょう。
骨は量だけでなく質も判断材料になります。見た目の高さがあっても内部がスポンジ状に粗い場合、人工歯根が初期に安定しにくいことが知られています。歯周病が進行した部位では、骨の外側の壁が薄く残っているだけということもあります。
撮影のタイミングにも意味があります。歯ぐきの炎症が強い時期は骨の輪郭が不明瞭に写ることがあるため、歯周治療で状態を落ち着けてから再評価し、その差を見て埋入位置や骨造成の要否を判断していきます。

歯周治療を先行させる最大の理由は、口の中の細菌量を減らした状態でなければ、外科処置そのものの成功率が下がるためです。インプラント埋入は歯ぐきを切開し、骨に人工歯根を収める外科手術にあたります。手術部位のすぐ隣に、深い歯周ポケットという細菌の住み処が残っていれば、傷口はその影響を受け続けることになります。
骨と人工歯根が結合するオッセオインテグレーションは、埋入直後の数週間から数か月の間に進みます。この期間に細菌の影響で炎症が起これば、結合そのものが不十分なまま経過することがあります。
歯石除去やルートプレーニングによって細菌の温床を減らし、歯ぐきからの出血が落ち着いた状態をつくる。この下ごしらえがあるかどうかで、同じ手術でもその後の経過が変わってくると考えられています。
炎症がある状態で測った歯ぐきや骨の情報は、治療後の姿とは違って見えることがあります。腫れた歯ぐきは実際より厚みがあるように見え、歯周ポケットの深さも炎症による腫脹分だけ深く記録されます。治療が進んで歯ぐきが引き締まると、数値も歯ぐきの位置も変化していきます。
「治療前に測ったときと言われる数字が違う」と感じる方もいらっしゃいますが、これは炎症が引いた結果として現れる変化です。歯ぐきが下がって歯が長く見えるようになることもあり、これによって被せ物の設計や埋入する位置の判断材料が変わります。
当院では歯科用CTを用いて骨の厚みや高さを立体的に確認していますが、この評価も歯周組織が安定した段階で行うほうが、実際の手術条件に近い情報として扱えます。診断のやり直しを避けるという意味でも、順序には意味があるという見方ができます。
歯周組織が不安定なままインプラントを先に入れると、後から周囲の歯を治療する際に手が届きにくくなり、結果として治療全体が複雑になります。隣の歯を歯周外科で処置する場合、歯ぐきの位置が変わることがあります。すでに入っている人工歯根の周りだけ歯ぐきが下がり、金属部分が露出して見えてしまうことも起こり得ます。
噛み合わせの面でも同じことが言えます。動揺のある歯が後から抜歯に至れば、噛む力の分担が変わり、先に入れたインプラントに過剰な負担が集中する可能性があります。人工歯根には歯根膜がないため、この負担の変化を吸収しにくいという事情もあります。
作り直しには追加の時間と費用がかかり、外科処置を受ける回数も増えます。順序を整えることは、遠回りに見えて、結果的に患者様の負担を減らす方向に働く判断だと言えるでしょう。

歯石除去やルートプレーニング(歯根表面の汚染された部分を滑らかに整える処置)といった歯周基本治療だけで、インプラントの適応条件に届く方は少なくありません。深い歯周ポケットの多くは、原因となる細菌のかたまりを取り除くことで歯ぐきの腫れが引き、数値が浅くなる方向に変化していきます。
出血が止まり、揺れていた歯が引き締まってくると、噛み合わせの安定性も見え方が変わってきます。「もう手遅れだろう」と感じていた口の中が、外科処置なしで手術可能な状態に近づくことは、決して珍しい経過ではありません。
ここで結果を左右するのが、歯磨き指導を通じたご自宅でのケアです。プラークの取り残しが続く限り、処置で一度きれいにした部分も再び細菌の温床に戻ります。当院で担当歯科衛生士制を採っているのは、磨き癖や器具の使い方を継続的に見ながら改善度を追うためです。
基本治療だけでポケットが浅くならない部位には、歯周外科治療という次の手段が検討されます。歯ぐきを一時的に開いて歯根の深部を直接見ながら汚れを除去する方法で、器具が届かなかった領域の細菌を減らす狙いがあります。当院にはインプラントをはじめとした外科処置、歯周外科処置に対応する手術室を備えています。
骨が部分的に深く失われた形の場合には、再生療法という選択肢が加わります。当院ではエムドゲイン法をはじめとする再生療法に対応しており、失われた歯周組織の回復を目指す処置として適応を検討します。ただし、すべての骨欠損に適応できるわけではなく、欠損の形態や残っている骨壁の数によって見込みは変わります。
こうした処置で残せた歯が増えると、インプラントを入れる本数自体が減る場合もあります。周囲に健康な天然歯が残っているほど噛む力が分散され、人工歯根1本あたりの負担も軽くなるという見方ができます。
歯周病で顎の骨が減っていても、骨造成という方法で埋入に必要な厚みや高さを確保できる場合があります。当院ではGBR(骨増大術)に加え、上顎の奥歯で上顎洞までの距離が不足する際のサイナスリフトやソケットリフト法、骨幅が薄い部位に対するスプリットクレストなどに対応しています。
どの方法が候補になるかは、CT撮影による三次元的な骨の評価で判断します。骨の厚み、高さ、硬さ、神経や上顎洞との位置関係を立体的に確認したうえで、造成が現実的か、それとも別の治療法を選ぶほうが良いかを見極めていきます。
骨が大幅に吸収されている場合、インプラント以外の方法をご提案することもあります。「できない」と言われた理由が細菌の問題なのか、骨の量の問題なのか、その内訳が分かるだけでも、次に何をすれば道が開けるのかが具体的に見えてきます。白井市周辺でインプラントの可否に迷われている方は、その切り分けから始めてみてください。

歯周病を抱えた状態でインプラントを検討する場合、最初の診査にどれだけ手間をかけているかが、その後の治療の精度を左右します。歯周ポケットの測定は、1本の歯につき複数箇所を計測するのが基本です。出血の有無、歯石の付着状況、噛み合わせの接触点まで含めて記録すると、それなりの時間を要します。
「今日の相談だけで手術日が決まるのだろうか」と感じる方もいらっしゃいますが、その場で日程が決まる流れよりも、資料を揃えてから計画を組み立てる流れのほうが、治療途中での方針変更は少なくなる傾向があります。当院ではカウンセリングと診査・診断を重視し、歯科用CTによる立体的な骨の把握と歯周組織の検査結果を突き合わせて、どの歯を土台として使えるかを検討しています。
説明を受ける側としては、現在の口の中の状態を数値や画像で示してもらえるかどうかが、判断材料の一つになります。数値が共有されていれば、歯周治療を進めた後に何がどう変わったのかを、患者様自身が比べて確認できるようになります。
歯周病が進行した口腔内でインプラントを検討する場合、歯ぐきの外科処置と埋入手術の両方に対応できる体制かどうかが現実的な分かれ目になります。歯周治療の途中で歯周外科治療が必要と判断されることがあり、その段階で別の医院へ移ると、検査データや治療の意図が引き継ぎづらくなる場面が出てきます。
当院にはクリニック内に2つの手術室を備え、インプラントをはじめとした外科処置と歯周外科処置に対応しています。歯周病治療とインプラント治療、矯正治療を組み合わせて計画を立てるケースもあり、歯を支える組織の改善と欠損部の回復を一連の流れとして設計できる点が、治療期間の見通しを立てやすくすることにつながります。
体制を確認する際は、清潔管理や麻酔への配慮も含めて尋ねてみるとよいでしょう。当院では表面麻酔や電動麻酔を取り入れ、処置中の負担をできる限り抑えられるよう配慮しています。
インプラント周囲炎を防ぐという観点では、手術の技術以上に、その後を誰が診続けるかが結果を左右します。人工歯根の周囲は天然の歯と比べて炎症の広がり方が異なるため、清掃状態のわずかな変化を継続的に追える体制が求められます。毎回担当者が替わると、前回との違いに気づくきっかけが失われやすくなります。
当院では担当歯科衛生士制を導入し、メンテナンスを重視しています。同じ担当者が継続して関わることで、歯ぐきの色や腫れの程度、磨き残しが出やすい部位の癖といった、記録だけでは伝わりにくい情報が積み上がっていきます。歯周病の再発傾向がある方ほど、この継続性が意味を持つと考えられます。
白井市でインプラントを検討されている方は、手術の話だけでなく、5年後10年後にどのような間隔で通うことになるのかを、相談の段階で確認してみてください。通院可能な範囲にあるかどうかも、長く維持するうえでの現実的な条件の一つです。

歯周治療からインプラント埋入までの期間は、歯周ポケットの深さや炎症の広がり、外科処置の要否によって大きく変わります。軽度から中等度で歯石除去とルートプレーニングを中心に進められる場合と、歯周外科治療を挟む場合とでは、必要な時間の幅が違ってきます。相談の段階で「何か月です」と一律に言い切れないのは、検査結果を見る前だからという事情があります。
目安として考えられているのは、歯周基本治療を行ったあとに再検査を行い、ポケットの深さや出血が落ち着いたかを確認する期間が要る点です。この再評価を飛ばして手術日を決めることは、当院では行っていません。
自営業で予定を組みにくい方にとって、期間の見通しが立たないことは不安材料になりやすいものです。初回の検査結果が出た時点で、どの段階に何回程度の通院が想定されるかをお伝えし、仕事の繁忙期を避けた計画に調整していく進め方をとっています。
歯周治療の期間中、欠損部を空けたまま放置するとは限らず、仮の装置で噛む機能を補いながら進める方法が検討されます。奥歯がない状態が続くと、反対側ばかりで噛む癖がついたり、噛み合う相手を失った歯が動いてきたりすることがあります。これは後のインプラント治療で被せ物を作る際、スペースが狭くなる要因にもなり得ます。
仮歯や取り外し式の装置をどう使うかは、残っている歯の動揺度や噛み合わせの状態によって判断が分かれます。ぐらつきのある歯にバネをかけると負担が増すため、あえて簡易な形にとどめることもあるでしょう。
「治療が終わるまで食事はどうなるのか」という点は、多くの方が最初に気にされる部分です。何をどこまで噛めるようにしておきたいかを事前に伺っておくと、期間中の過ごし方を含めた計画が具体的になります。
動揺がある歯がすべて抜歯対象になるわけではありません。揺れの原因が炎症による一時的なものであれば、歯石除去と炎症のコントロールによって締まってくることがあります。一方、歯を支える骨が根の先近くまで失われている場合や、根が縦に割れている場合は、保存が難しいという判断になります。
この見極めには、動揺度の測定に加えて、レントゲンやCTによる骨の残り方の確認が使われます。初診の時点で「この歯は抜く」と決めてしまうのではなく、歯周基本治療後の再評価で改めて判断するほうが、残せる歯を見誤りにくくなります。
当院では、抜歯と言われた歯をどうにか残せないかという視点で診査を進めています。抜く本数が変われば、インプラントを何本入れるか、どこに入れるかという設計そのものが変わってきます。だからこそ、歯周組織の状態を確かめる工程が先に来るという流れになるのです。

治療計画の精度を左右するのは、口の中の状態と同じくらい「これまで何をしてきたか」の記録です。過去にどの歯をいつ頃失ったか、どこで歯周病の治療を受けたか、被せ物やブリッジをいつ入れたか。こうした経緯がわかると、骨の吸収がどの段階で進んだのかを推測しやすくなります。
特に共有していただきたいのが、現在服用中のお薬です。血液をさらさらにする薬、骨粗しょう症の薬、血圧や心疾患の薬などは、外科処置の進め方や時期の判断に関わることが知られています。お薬手帳をそのままお持ちいただくのが確実で、薬剤名と用量まで把握できます。
他院で撮影したレントゲンの写しや、受け取った治療計画書があれば、それも判断材料になります。「以前インプラントできないと言われた」という説明の根拠が、骨の量なのか歯周組織の状態なのかを読み解くことができ、同じ検査を最初からやり直す手間が減る場合もあります。
喫煙習慣と糖尿病の有無は、歯周治療の進み方とインプラントの適応判断の両方に関わる要素です。たばこに含まれる成分は歯ぐきの血流を低下させ、免疫細胞の働きを鈍らせることが報告されています。歯周ポケットの改善が思うように進まない、外科処置後の治りが遅れるといった影響が出ることがあります。
糖尿病についても、血糖のコントロール状況によって感染への抵抗力が変わります。直近のHbA1c(過去1〜2か月の血糖状態を示す検査値)の数値をご存じであれば、それを伝えていただくだけで、外科処置に進めるタイミングの見通しが立てやすくなります。内科の主治医と連携しながら進める判断につながることもあります。
「言うと怒られそうで」と喫煙本数を控えめに伝える方もいらっしゃいますが、正確な情報がないと計画そのものがずれてしまいます。診察室では責める場ではなく、条件を整えるための材料として伺っています。
治療のゴールは、患者様がどこまで噛めるようになりたいかによって変わります。硬いものをしっかり噛みたいのか、会食で見た目を気にせず過ごしたいのか、通院回数をできるだけ抑えたいのか。優先順位が違えば、インプラントの本数も、歯周治療にかける期間の組み立て方も変わってきます。
自営業で仕事の都合がつけにくい、繁忙期は通院間隔を空けたいといった生活の事情も、遠慮なくお伝えください。歯周治療は継続して通う期間が必要になるため、現実的に通えるペースを前提に計画を立てたほうが、途中で中断するリスクを減らせます。
当院では、カウンセリングと診査・診断に時間をかけ、ご希望のゴールに合わせた選択肢をご提示することを大切にしています。白井市でインプラントを検討されている方も、まず希望を言語化しておくことで、なぜその順序になるのかという説明が自分の状況に結びついて理解しやすくなります。

「インプラントできない」という説明の多くは、永久的な不可能を意味するのではなく、今の歯周組織の状態では埋入しても長持ちしにくいという時期的な判断です。人工歯根には歯根膜がなく、細菌への抵抗力や噛む力のクッションが天然の歯とは異なります。歯周病菌が残った口内では、インプラント周囲炎が起こりやすい環境が整ってしまいます。
だからこそ、歯周ポケットの深さ、出血の有無、残存歯の動揺度、そしてCT撮影による骨の量と質を確認したうえで、治療順序が組み立てられます。歯周治療を先に行うと炎症で膨らんでいた歯ぐきが引き締まり、骨の輪郭も本来の形で読み取れるようになります。
順番が前後すると、せっかく入れた人工歯根を再度外す事態にもつながりかねません。遠回りに見える手順は、10年先も噛める状態を保つための土台づくりという見方ができます。
当院では、インプラント治療をご希望の患者様に対しても、まず歯を支える組織の状態を丁寧に診査したうえで計画を立てています。歯石除去やルートプレーニングといった歯周基本治療で炎症の程度がどこまで改善するかを見極め、必要に応じて歯周外科治療や再生療法、エムドゲイン法を含めた選択肢を検討します。
診断には歯科用CTを用い、骨の厚みや高さ、上顎洞との位置関係を三次元的に確認します。骨量が不足している場合には、GBRやサイナスリフト、ソケットリフト法といった骨造成を組み合わせる方法もあります。院内には外科処置に対応する手術室を備えており、歯周外科とインプラントの両方を同じ計画の中で進められる体制を整えています。
治療後は担当歯科衛生士制のもとでメンテナンスを継続し、歯周ポケットの再燃を早い段階で捉えることを重視しています。
他院で難しいと伝えられた場合でも、歯周治療や骨造成を含めた条件整備によって、治療の道筋が見えてくることがあります。反対に、骨の吸収が広範囲に及ぶ状況では、インプラント以外の方法を組み合わせたほうが噛む機能を安定させやすい場合もあります。どちらが望ましいかは、実際に口の中と画像を確認しなければ判断できません。
「なぜすぐ手術できないのか」という疑問を抱えたままでは、治療に前向きになりにくいのではないでしょうか。当院は説明を尽くし、患者様ご自身が納得したうえで進めることを大切にしています。セカンドオピニオンのご相談にも対応しています。
白井市・西白井周辺でインプラントと歯周病の両面から相談先をお探しの方は、オリオン歯科医院 西白井本院へお声がけください。現在の歯周組織の状態を数値で把握するところから、次の一歩が具体的になります。
監修:医療法人社団 櫻雅会
オリオン歯科医院
住所:千葉県白井市大松1丁目22-11
電話番号☎:047-491-4618
*監修者
医療法人社団 櫻雅会 オリオン歯科医院
ドクター 櫻田 雅彦
*出身大学
神奈川歯科大学
*略歴
・1993年 神奈川歯科大学 歯学部卒
日本大学歯学部大学院博士課程修了 歯学博士
・1997年 オリオン歯科医院開院
・2004年 TFTビル オリオンデンタルオフィス開院
・2005年 オリオン歯科 イオン鎌ヶ谷クリニック開院
・2012年 オリオン歯科 飯田橋ファーストビルクリニック開院
・2012年 オリオン歯科 NBFコモディオ汐留クリニック開院
・2015年 オリオン歯科 アトラスブランズタワー三河島クリニック 開院
*資格・所属
・インディアナ大学 JIP-IU 客員教授
・コロンビア大学歯学部インプラント科 客員教授
・コロンビア大学附属病院インプラントセンター 顧問
・ICOI(国際口腔インプラント学会)認定医
・アジア太平洋地区副会長
・AIAI(国際口腔インプラント学会)指導医
・UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)インプラントアソシエーションジャパン 理事
・AO(アメリカインプラント学会)インターナショナルメンバー
・AAP(アメリカ歯周病学会)インターナショナルメンバー
・BIOMET 3i インプラントメンター(講師) エクセレントDr.賞受賞
・BioHorizons インプラントメンター(講師)
・日本歯科医師会
・日本口腔インプラント学会
・日本歯周病学会
・日本臨床歯周病学会 認定医
・ICD 国際歯科学士会日本部会 フェロー
・JAID(Japanese Academy for International Dentistry) 常任理事